水子供養ってなんだろう?
水子供養はするべきか?
水子供養をするときの注意点はあるの?
そういった疑問におこたえします。
本記事の内容
◯そもそも水子供養とは?
◯水子供養をするべき3つの理由
◯水子供養をする際の3つの注意点
この記事を書いている私は年間50件以上の水子供養を行っている水子供養に力を入れているお寺の現役の僧侶です。
こういった私が解説していきます。
水子供養とは?
「水子供養」とは、お腹の中にいるうちに亡くなった子(流産・中絶)、あるい死産の子、すなわち「水子(みずこ)」に対して執り行われる供養のことです。
「水子」とは戒名の下につける位号の一種です。その際は「すいじ」とお読みします。
その名前の由来には
◯生まれて間もなく捨てられた日本神話における神、蛭子(ヒルコ)の名前から
◯間引きした赤子を川に流した昔の風習から
◯親が我が子を見ることができなかったという「見ず子」から
など諸説があります。
水子供養の歴史
実はもともとは日本で水子供養は行われていませんでした。
水子供養は江戸時代に始まったとされていますが、当時はまだ水子に対する葬儀や供養は行われないことがほとんどだったようです。
それは、「7歳までは人間ではなく神さまの預かりものである」という日本古来の考え方が起因したのでしょう。
その後、1970年頃から一気に全国的に広まりましたが、その際に起こった「水子の祟り」の強調や、占い師や霊能者による商品化、寺院による大々的な宣伝などにより、「水子供養」に対して当時はあまりよい印象は持たれていなかったようです。
現在の水子供養
さて、現在では過去の反省からか、寺院の水子供養に対する考え方も変わり、水子供養を行っている殆どの寺院では「水子のタタリ」をきっぱりと否定しています。
命の尊さを知り、前向きに生きることを目的に供養し、我が子が幸せになって欲しいという願いを込めて供養を行うことが大切だ、と説いています。
今やインターネットも当たり前となり、水子供養を専門に行っている寺院や、力を入れている寺院だけでなく、ごく一般の寺院でもHPを立ち上げて水子供養を行っていることを宣伝しています。
自宅でもできるオンラインでの法要を取り入れたり、プライバシーを考慮した環境づくりなどに力を入れている所も見受けられます。
ただし、寺院だけでなく、占い師や霊能者、新興宗教教団でも水子供養を行っているところも多く、依頼する側の正しい知識と判断がより必要になってきています。
「水子供養はやるべき」という理由をまとめました
みなさんは水子供養はやるべきだと思いますか?
僧侶の視点から申しますと「水子供養は絶対におこなうべき」です。
以下理由をまとめました。ひとつひとつみていきましょう。
理由1 我が子を救うため
お母さんのお腹の中で亡くなってしまった水子さんは泣いています。
お母さんの温かいお腹の中から急に暗い世界へと放り出されてしまったからです。
急にお母さんの声や命の鼓動が聞こえなくなったからです。
そんな水子さんを慰めなくてはいけません。
水子さんは辛く、苦しく、寂しい思いをしていらっしゃいます。
その状態を救ってあげるために、供養が絶対に必要です。
理由2 自身の死を理解させ、納得してもらうため
亡くなった人がほとけさまの世界へ旅立つには、「自身が亡くなったことの理解」と「未練や後悔がないこと」という条件が必要です。
中絶の場合は命を断ってしまった理由を、正直に伝えなくてはいけません。
それと同時に懺悔(さんげ)をしなくてはいけません。
そうすれば、あなたを愛している水子さんです。
必ず納得していただけます。理解していただけます。
そうすることで仏さまのおわします世界へ迷わず旅立つことができます。
親の想いを理解してもらい、さらに納得をした水子さんが「旅立ち」をする最後の後押しとしても供養が必要です。
理由3 供養をすることで前向きに生きるきっかけになるため
いつまでも悲しみから抜け出せず、苦しんでいては、水子さまも浮かばれません。
そんな親の姿を見て、やっぱり心配だから、、、となかなか成仏できないかもしれません。
それではお互いが不幸です。
供養を通じて親も新しい未来へ一歩踏み出すことができます。
水子の幸せを願い、気持ちを込めて供養を続けていくことで、これからの人生を前向きに進んでいくことができるようになるでしょう。
水子供養をする際の3つの注意点とは?
水子供養をする際の注意点をまとめてみました。
ひとつずつ見ていきましょう。
①罪悪感を持ちすぎない【愛情と感謝の気持ちをもって】
「本当にひどいことをした。私は最低の母親です。」
「もっと身体を大事にすればこんなことにはならなかった、、、。」
そういう悲痛な気持ちや後悔の念を持ってしまうことは仕方ありません。
ただ、いつまでも悲しみから抜け出せず、苦しんでいては、水子さまも浮かばれません。
それよりも、我が子への愛情を持って、供養をしてあげましょう。
そして、感謝の気持ちを伝えてあげましょう。
「たとえ僅かな時間だったけれど、一緒に過ごせた時間を忘れないよ。ありがとう。これからも私達を見守っていてね。」
こんなふうに伝えてあげれば、水子さんもたいそうお喜びになりになりますよ。
②供養する時はできる限りパートナーや家族と一緒に
お一人で供養に来られる方も大勢いますが、血を分けた我が子です。
可能であればお父さん、お母さんご一緒に供養をするようにいたしましょう。
そしておられるのであれば、あなたのお子さん、すなわち、水子さんにとっての兄弟、姉妹と一緒にお参りください。
自分の兄弟が一緒にお参りに来てくれたら、元気な姿をみれたら、そしてそんな兄弟が自分の為に手を合わせてくれたら、嬉しいですよね。
そしてもし、お子さんが理解できるようであれば、、、。
水子さんのことを教えてあげてください。
兄弟がいた事を教えてあげてください。
そうすることで、将来、自分たちがいなくなったとしても、お子さんが自分の兄弟である水子さんを認知して、きっとご供養を続けてくれるでしょう。
③供養は自分たちだけで行うよりも、専門家に依頼する方がベター
よくある質問に「お寺にお願いしなくても自分たちだけでお参りをすればいいのでは?」というものがあります。
結論としましては、水子供養はお坊さんや専門家に供養をお願いしたほうがよろしいと思います。
このことについては、詳しく別記事にて解説します。そちらも是非ごらん下さい。
【まとめ】水子供養は我が子の幸せを願うなら「必要」
水子供養は、生まれることができなかった我が子の幸せを願うために行われます。
我が子を仏さまに守っていただき、仏さまの世界で幸せに過ごせるように祈ります。
生まれてこれなかった我が子の幸せを願っている方は、ぜひ水子供養を行いましょう。
というわけで今回は以上です。
もし参考になりましたら幸いです。
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