なぜお花をお供えするの?その意味を解説します!

供え花
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仏事のお供えには欠かせない「お花」。

そもそもなぜお花をお供えするんだろう??
◯お花をお供えすることに何か意味や由来はあるの?
◯お花をお供えする際に何か注意することは?

そんな疑問にお答えします

目次

仏事にお花をお供えする意味とは?

お供えには色々な種類があります。

仏教では「香」「花」「灯明」「浄水」「飲食」の五つがお供え物の基本といわれております。

もちろん、それぞれに意味や理由が込められています
今回は二番目の「花」についてその意味を詳しく見てみましょう。

①故人への想いを表すため

これが一番の理由でしょう。

故人の好きだった花があればそのお花を、またはきれいな花をお供えする事により、故人に対するの気持ちや想いを表す事が出来ますね。

「そういえばじいちゃんはひまわりが好きだったなあ、、、。」
「今の季節だから、、、かわいいスターチスをおそなえしようかしら」

そんな風に故人のことを想いながらお花を選び、お供えする。
そうすれば喜ぶこと間違いなし、です。

②我々の姿と花の姿が重なるから

花は厳しい大自然の中、頑張って耐え続けてゆっくり咲き誇り、暑さや寒さ、雨風に耐えながらも咲き続けます。

その姿は我々がこの世界で「苦しみ」や「悲しみ」を耐え忍ぶ姿と重なる部分があり、それを乗り越えて耐え忍んで生きていく、すなわち「精進する」事を誓うものとして花を供える、という意味もあります。

ちなみに 仏教を象徴する花は・・・?

ちなみに、仏教を象徴する花として「蓮の花」があります。
泥水の中から生まれても、泥に染まらず、心洗われる清らかさと美しさを失わずに気高く咲き誇る姿が仏教における慈悲の象徴とされています。

そして、我らが日蓮宗にとって、とても大切なお花です。
日蓮宗が読む「法華経」(妙法蓮華経)は、正しい教えである「白い蓮の花」の経典と言われ、
宗祖日蓮大聖人は、御自身の名前の中に、「蓮」の字を用いられました。

嬉しい二次作用も!

お花をお供えすることでお供えする我々にとっても嬉しい作用があります。

それは「お供えしている人自身にも穏やかな気持ちをもたらす」ということです。

故人の好みを考えながらお花を選びお供えすれば、穏やかな気持になりますね。
また、芳しいお花をお供えすることで気持ちも清らかになるでしょう。

ご先祖様だけでなく、我々も穏やかになれるのならばこんな良い「お供え」はありません。

お花をお供えする際の注意

お供えに欠かせないお花ですが、お供えする時にいくつか注意点もあります。
どれも少しの気遣いと心がけで対処できますのでしっかりと覚えておきましょう。

棘のある花、毒のある花、強い香りの花、は避けましょう。

お供えに不向きな花があります。

それは「棘のある花」「毒のある花」「強い香りの花」です。
例を上げると「バラ」や「彼岸花」です。
バラは棘のある姿が殺生を思い起こさせるためふさわしくないとされています。
彼岸花は毒のある花です。毒を仏様にお供えすることになり、タブー視されています。
また、基本的に香りが強い花(匂いが悪い花)も避けるべきです。

言わずもがな毒のある花や強い香りの花はお供えには避けるべきですが、もし故人がバラが好きでお供えをしたい場合は、棘をとってお供えするなどそういった配慮もすれば問題はないと私は思います。

造花」ではなくなるべく生花を!

お仏壇やお墓にお供えする花を選ぶ際にこんなことを思うことはないでしょうか。

「どうせすぐに枯れてしまうし、造花でいいよね!」
「お水変えが面倒だし、ドライフラワーでいいか!」

枯れないから楽でいい、お金がかからないから造花でいい、という思いでお供えしたお花が喜ばれるかどうか、、、。

故人が好きだった花を選ぶから、その季節にあった花を選ぶから、芳しいお花を選ぶから、お供えとしての意味があるのです。

絶対にNGではありませんが、できる限り生花をお供えするようにしましょう。

できる限り「お花を枯らさない

古来より『生花は福をもたらし、枯花は死を示す』といわれています。
仏壇やお墓に花をお供えする時は、花が枯れないように心がけて、なるべく美しく新しい生気あるものをお供えしましょう。

また、花を長持ちさせる薬や栄養剤も売られていますので使用することを検討するといいと思います。

また花が痛みやすい時期(真夏、真冬)には花以外のお供え物をしたり、その時だけドライフラワーを選んだりする、という心がけも大切ですね。

ちなみに私の修行中の話ですがお寺の御宝前の生花を1日2回お勤めの前に水を変えて、茎の汚れを洗い落とすことが日課でした。そうすることで夏場でもかなり日持ちしたことを覚えています。

当時は特に夏場は匂いがひどく臭くて嫌な作業でしたが、こういう心がけを仏さまやご先祖様に見ていただくことも大切なことだな、と今は思います。

まとめ : 花を手向けるあなたの心が一番大切

以上お供え花について見てきました。
古来から伝わる考え方やしきたりもありますが、外に見える部分以上に、花を手向けるあなたの「心」が何よりも大切です。

お供えするのは、仏さま、ご先祖さまを大切に想う「心」です。

7月、8月はお盆の月です。
精霊棚にお墓参りに、きれいなお花を持ってお参りをしましょう。
あなたの気持ち、ご先祖さまに届きますように。

合掌。

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この記事を書いた人

小さな田舎町の小さなお寺
そこで生まれ育ったおしょう『イチヨウ』
「今、この時代だからこそ伝えたいこと
それを自分なりに、自分の言葉で、ていねいに」
そんなことを心がけながら日々の発信を続けていきます。

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